ひきこもり探偵シリーズ、完結編まで、だーっと読みました。
ああしかし…やはりだめなものはだめでした。どうにもこうにも肌に合わない。あそこにふんだんに描かれた「善意」に反発してしまいます。 「仔羊の巣」の最後にはアリスガワアリス氏による解説がついているのですが、それを読んで、わたしの受けとめ方は氏と正反対であることがわかって軽く驚きました。氏はひきこもりくんのことが好きになれないんですって。でもわたしは、ひきこもりくんのことはまあまあ好印象だけども、その親友くんのほうがだめなのです。 そのだめという感覚は、よく読んでみたところ、「怖い」というよりは「気持ち悪い」と言うのが正しいようでした。坂木くんの善意はなんだか妙に気持ち悪いです……。そして割とあっさりとみんなを善人に改心させてしまう展開もとても気持ち悪いです。 あ、あと、「ある人の不思議な行動」の理由をひきこもりくんが見事に洞察するからこそ、この作品は一応ミステリというカテゴリに属しているわけなんですが、この理由というのが結構納得いきません。Aという事情を抱えた人がBという行動をとる、というところに、あまり論理の必然性がないような気がします。というか、普通はAという状況下でBという行動はとらないだろうと思う…のですよね。まあ、普通はしないことをするからミステリなんだけども、でもやっぱり、すんなりと納得はできない。そんなことしなくていいじゃないと思ってしまう。 そういうところも、この作品の読了後に、なにやらもやもやの残る原因かもしれません。
by agco
| 2007-03-17 11:25
| ミステリ
|
by agco
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