サイエンス? 超科学?
一番ぴったりくるのはタイトル通りの「博物誌」だろうか。本書には風と大気に関わるありとあらゆる知識が詰め込まれている。物理学、生物学、哲学、神話から心理学や美学にまで話は及んでいる。中には現代の科学で納得のできる解説もあれば、科学から大きくはみ出してしまっている部分もある。 しかし科学で説明できないものをすべて神秘主義とかエセ科学として線引きをして、見なかったふりをしてしまうのは、まったくもって科学の正しい用い方じゃない。 わからないならわからないでいいじゃないの。解明できていない何らかの原理が存在するということでいいじゃないの。その原理が現在知られている物理法則で語れなくたっていいじゃないの。 科学というのはどんどん変化していくものだし、一度到達したと思われた真理も次々と覆されていくことがある。そうした変化を受け入れられないというのは、むしろ科学的な態度とは言えないでしょう。 そんなわけで、本書のすべてが納得できるとは言わないが、書かれている個々の事例はどれも興味深く、面白い。著者の知識の膨大さにも感心させられる。 ただですね、その知識が膨大すぎて、文庫版上下二冊の内容を一気に読もうとすると非常に疲れるのですね。小説じゃないので起承転結や計算された盛り上がりがあるわけじゃないし、別にどこから読んでも構わないような内容だし。 途中何度も中断し、うたた寝しながら読みました。一気読みじゃなく、枕元とかに置いておいて、気が向いた時に少しずつ読むというのが合っている本だったかなと思います。
by agco
| 2004-08-08 23:37
| ノンフィクション
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