皇帝ネロの死後、わずか一年の間に三人も皇帝が交代した動乱期を経て、ヴェスパシアヌスとその息子ふたりのフラヴィウス朝時代、そして極短期間で終わったネルヴァの治世。
これだけの時代が一気に書かれているが、その内容はタイトルに違わず危機と、それを克服することでローマ帝国がいかなる発展を遂げたかということが中心である。 七人登場する皇帝のうち、善帝と評判の高かった者も、悪帝として記録から抹消された者もあるが、歴史上の評価が低いからといって、その皇帝が悪い結果だけを残したのではないとこが興味深い。 悪帝とは誰にとっての悪なのか、というだけの問題だという気もする。 現代から過去のローマを振り返ってみるとき、我々はその時代に行われた皇帝の決断・行為の結果までを一度に把握することができるが、同時代の人間にとっては未来の結果などは知りようがない。 歴史を読むというのは神の視点を持つということだ。
by agco
| 2005-11-08 21:59
| 伝奇・時代・歴史
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