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「故郷から10000光年」 ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア

思い出したように再びティプトリー。
この本は多分、以前に読んだことがない。あるいはきれいさっぱり忘れてしまっているかのどちらかだ。15短篇が収録されているのだが、そのうちひとつも記憶になかった。
しかし……。

わたしの頭が悪いのか、作者の書き方と合わないのか、ティプトリーは時々話の意味がつかめないことがある。これは科学的な内容の難しさではなく、「え。それで?」というタイプのわからなさだ。書いてある文章事態は理解できるが、作者がそれで何を書こうとしたのかがわからない。そこから何を読み取ればいいのか途方にくれてしまう。ある意味不親切な作風だ。

わかるときも当然ある。そういう場合は素直に物語に入っていけるし、面白い。

わかるけれども、面倒になって飛ばしてしまう話もある。ギャグ調というか、スラップスティックというか、会話主体で展開される騒々しい短篇がそれだ。好きな人はいるだろうけど、わたしは苦手だ。

そういうわけで、ティプトリーの話というのは、面白いと分からないと鬱陶しいがきれいに三分割だ。なんという微妙な作家だろう。わたしはティプトリーが好きなのか嫌いなのか、自分でもいまひとつ判断ができないでいるのだ。
by agco | 2005-07-26 23:53 | SF
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あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
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