妻と離婚し、上司の横領のとばっちりをうけて失職し、ほとんど理由もなくラブホテルで街娼を絞め殺してしまった男、吉行。
車に乗って逃亡し、何のあてもなく実家のある山中へと分け入った彼は、行き止まりの旧道で不思議なふたりの子供と出会う。白兎(ハクト)と名乗る少年と、和子という名の幼女の二人連れは、夜の山道に突然立っているのはあまりに不自然な組み合わせだ。しかも吉行は白兎の顔にどことなく見覚えがあり、また和子の名前におぼろげな記憶がうずいた。しかし彼はその正体を思い出せずに、とりあえずふたりを車に拾うことになる。 この話、白兎が名乗ったあたりのシーンで、すでにかなり先の予想がつくというか、からくりがうっすら見えちゃうので、それをどういう風にまとめるかに真価が問われるタイプの物語です。 ええと、それで、わたしの個人的な評価は申し訳ないけどそう高くはない。普通くらい。大きく外してはいないけど、感動するほどではない。 普段は児童文学の書き手である作者は、本作を大人向けに書こうとして、いらないところに力が入ってしまったのではないかという気もする。 やたらと下半身の描写だの殺人の描写だのが多いのは、露悪的にすることが大人の証明だとでも思っているのだろうか? だとしたらそれは少々勘違いだ。別にそんな描写はなくても大人にむけた物語は作れる。 そのあたり、熟考し、次の物語に挑んでいただきたい。 というか、普段子供むけに書いているものの方が、よほど大人むけの内容であるような気がするのだが。
by agco
| 2005-07-16 23:52
| その他創作
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