「銀河の荒鷲シーフォート」シリーズの一番最初がこれである。
しかし一体どのあたりが荒鷲だったのか、読み終わった今でもよくわからない。これから荒鷲っぽくなるのだろうか。というか荒鷲っぽさって何だ。 シリーズもののタイトルって意外に話にそぐわないものが多いと思うんだけど。たとえばゲド戦記とか、タイトルだけで未読の人間に多大なる誤解を与えると思うんだけど。 まあそれはさておき。 本書は若干17歳の宇宙軍士官候補生ニコラス・シーフォートが、乗り組んだ軍艦<ハイバーニア>の中で、次から次へと襲い来る試練を乗り越え、成長していく過程をえがいた物語である。 しかしこの試練というのが無茶なくらいに本当に次々襲ってくるわけですよね。気の合わない士官候補生仲間と大激突してみたかと思えば、不慮の事故が続いて上官がひとり残らず亡くなってしまい、士官学校を卒業したてだというのにシーフォートは<ハイバーニア>の艦長を務めなくてはならなくなってしまう。それだけでも十分大変だというのに、これでもかというほどの難題が彼には降りかかり、それを乗り越え乗り越え、周囲の人間を魅了しつつ、次第に彼は立派な艦長になっていくと。 ……まあ、割と普通の……? スペオペ的成長物語でした。 しかし、なんていうか、あの。 噂に違わず(?)猫も杓子もニコラス・シーフォートのことが大好きで、どうしてこう軍隊物って、「男が男に命がけで惚れる!」みたいな展開なしでは話が進まないのかなあ~と、少し遠い目をしてしまいそうでした。特に、ヴァクス、あんたは危険だ。「あの男(ヴァクス)はあんた(シーフォート)を愛しているんだ」なんて他人から指摘までされちゃって。バレてる! バレてるよ! この人この先大丈夫かしらと、思わず心配にまでなりました。
by agco
| 2004-09-05 22:40
| SF
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