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「赤い羊は肉を喰う」 五條瑛

最近読んだ五條の本のなかでは一番まともだった!
でも葉山くんが登場する必要があったのかどうかは謎。名前を出すならもうちょっと活躍させてあげればいいのに。いけすかない上司に会いにいったとかいう妙な情報だけ出されても、そんなちょっぴりのネタで喜ぶのはごく限られた人間だけだと思うんですが。

お友達から借りて読んだ本なのですが、そのお友達の感想にそのまま同意で、特に付け加えることを思いつきません。
大衆心理操作の理論なんかは、悪い方向に使えば悪く、よいことに使えばよいという、ごくありふれた「力」の一種でしかないと思います。
渡辺エスターがなんであそこで流血の惨事を起こそうとしたのか、実はわたしにはよくわかりません。人間は決しておきれいな生き物じゃないんですよということを証明したかったのだとしたら、なんでまたそんなわかりきったことをいちいち証明せねばならんのかと疑問だし、自らの理論の正しさを確認したいだけなら別にもっとほかの方法でもよかったのではないかと思います。
大衆をコントロールするならするで、暴発ではなくもっと有意義なことをやらせればいいじゃない。
そこで悪意の暴発なんかを選択してしまうところが、ばっかだな~と思っちゃうわけです。子供の残酷な遊びと同じレベルですよ。いい歳なんだから成長しなさい。

でもまあそこそこ面白い本でした。全然褒めてるように見えないでしょうが、褒めてます。
でもわたしは日比谷バベルの初日には絶対に行かないタイプのひとりですね。
人ごみ、嫌いなんです。
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# by agco | 2007-04-03 00:12 | ミステリ

「ツチヤ学部長の弁明」 土屋憲二

こう言ってはなんだが、土屋憲二の文春のエッセイ集は読んでも読んでも後に残らない。多分、一度読んだことのある本をもう一度最初から読んでも気づかないのではないか。それくらいに何を読んでも同じっちゃあ同じテイストで書かれている。
しかし面白くないというわけではないのがふしぎなところで、あの文体はかなりくせになる。しかし下手に真似をしようとすると痛い目を見るのでやめておいたほうがいい。

といいつつ本書はいつもの文春のエッセイ集ではなく、土屋憲二が学部長としての立場で発表した文章を主に集めた一冊であり、多少毛色は変わっている。
おお教育についてはなんとまともなことを言っているのだ。まともでないことも言ってるけど。

そして本書の解説には土屋氏を学部長に任命した前学長なる人物の文章が載っているのだが、これはなかなか見ものである。
「ツチヤ風スタイル」を少々取り入れつつも、実に謹厳、実にクールに本書の内容を分析するその手腕は見事。これまで土屋氏の本の解説において、あのツチヤ調に挑んでは討ち死にしてきた人々を見慣れているだけに、さすがは前学長などと偉くなる人間は違うと広く知らしめた(気がする)。

まあそんなわけで、いつも読みなれたものとは違っていた部分が新鮮でした。以上。
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# by agco | 2007-04-02 23:32 | エッセイ

「アフターダーク」 村上春樹

村上春樹を再評価してみよう(勝手に個人的に)企画として読んでみた一冊。
うーん……。悪いとは言わないけど、わたしは「海辺のカフカ」のほうが好き。
確か「海辺のカフカ」の解説に、「海辺のカフカ」は失敗作だが「アフターダーク」は人を救うということに成功しているというようなことが書いてあったのだが、うーん、そうかな。あまり賛同できないかな。
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# by agco | 2007-04-01 23:30 | その他創作

「遺伝子の使命」 L.M.ビジョルド

マイルズシリーズの一冊、なんですが、マイルズが出てこない番外編。
物語はアトスという名の特殊な事情をかかえた惑星と、そこから派遣されてきた医師兼大使のイーサン、デンダリィ傭兵隊の中佐エリ・クインのふたりを中心に進みます。
マイルズは出てこないけど、物語のどたばたぶりは確かにこのシリーズならではのもの。なかなか楽しく読みました。
ああでも二回は読まなくていいかな。
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# by agco | 2007-03-17 11:30 | SF

「仔羊の巣」、「動物園の鳥」 坂木司

ひきこもり探偵シリーズ、完結編まで、だーっと読みました。
ああしかし…やはりだめなものはだめでした。どうにもこうにも肌に合わない。あそこにふんだんに描かれた「善意」に反発してしまいます。
「仔羊の巣」の最後にはアリスガワアリス氏による解説がついているのですが、それを読んで、わたしの受けとめ方は氏と正反対であることがわかって軽く驚きました。氏はひきこもりくんのことが好きになれないんですって。でもわたしは、ひきこもりくんのことはまあまあ好印象だけども、その親友くんのほうがだめなのです。
そのだめという感覚は、よく読んでみたところ、「怖い」というよりは「気持ち悪い」と言うのが正しいようでした。坂木くんの善意はなんだか妙に気持ち悪いです……。そして割とあっさりとみんなを善人に改心させてしまう展開もとても気持ち悪いです。
あ、あと、「ある人の不思議な行動」の理由をひきこもりくんが見事に洞察するからこそ、この作品は一応ミステリというカテゴリに属しているわけなんですが、この理由というのが結構納得いきません。Aという事情を抱えた人がBという行動をとる、というところに、あまり論理の必然性がないような気がします。というか、普通はAという状況下でBという行動はとらないだろうと思う…のですよね。まあ、普通はしないことをするからミステリなんだけども、でもやっぱり、すんなりと納得はできない。そんなことしなくていいじゃないと思ってしまう。
そういうところも、この作品の読了後に、なにやらもやもやの残る原因かもしれません。
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# by agco | 2007-03-17 11:25 | ミステリ



あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
by agco
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