「イッツ・オンリー・トーク」 絲山秋子

絲山秋子のデビュー作「イッツ・オンリー・トーク」と、ほか1編。
普通に生きるということが難しいと感じる人は、この本を読めばいいと思う。
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# by agco | 2007-05-15 19:59 | その他創作

「剣嵐の大地 1・2・3」 ジョージ・R.R. マーティン

3部になって、ついにハードカバー3分冊になりました。これ、文庫にしたら何冊になるのかな…。
それはともかく壮大なファンタジー世界はあいかわらずの怒涛の展開を見せております。ああ、この先を読めるのはいつの話なのか…。遠い目をしちゃいますね。
様々な人物が、実に様々で容赦のない悲劇に見舞われておりますが、今回最も衝撃的だったのはケイトリンでした。怖い! ケイトリン怖すぎる!!
それ以外のことはとりあえず黙っておきますね。
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# by agco | 2007-05-13 19:40 | 伝奇・時代・歴史

「ティンブクトゥ」 ポール・オースター

本書の主人公は犬である。おいぼれで、決して美しくもないが、知恵がまわり、主人に忠実な犬である。名前はミスター・ボーンズだ。
彼の主人ウィリーは相当にだめな男で、ほとんど浮浪者のようなありさまで死んだ。その死の直前、男はミスター・ボーンズに新たな主人のもとへ行けと(その時点では、男の高校時代の恩師が最有力候補だった)遺言するが、ミスター・ボーンズは結局その人物に会うことはできず、様々な人の世話になりながら、町をさすらうことになる。
最終的に落ち着いたとある家庭で、ミスター・ボーンズはそこそこに安定した生活を得るが、しかし完全には満たされていない。

本書を非常に印象的なものにしているのはミスター・ボーンズの見る夢である。それはときに現実をふしぎな形で垣間見せ、示唆を与え、ミスター・ボーンズを導く。ときにはウィリーが出てきて、ひどいことを言ったりもする。
しかしミスター・ボーンズは、多分、ウィリーのことが本当に大好きで、ほかの誰かに飼われることなど望んでいなかったのだ。生きるためには様々な苦悩を耐えねばならない。しかしそれよりは、できることならば、死してウィリーのもとへ、つまりはティンブクトゥへ行きたかったのだ。
といってもミスター・ボーンズは決して死を望んでいるのではない。彼の最後の跳躍は、彼がよりよく生きるためのものだった。
とわたしは思いますよ。
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# by agco | 2007-05-03 19:21 | その他創作

「シティ・オブ・グラス」 ポール・オースター

ニューヨーク三部作のその1。
結局わたしはこの三部作を、2→3→1という妙な順序で読んでしまったことになる。内容的には、そんなにはっきりとつながっているわけではないのだが、しかし、作者の事件というものの扱い方というか文章の書き方には、かなり明確な変化が見受けられるように思える。
だからこれは本当は1から順に読んだほうがよかったんじゃないかな。
でもまあ細かいことを気にしちゃいけない。これはこれでとても面白い読書体験だった。

とあるミステリ作家のもとへ、あるとき見知らぬ女からの電話があり、「探偵のポール・オースターさんに依頼したい件がある」と言われるが、作家はそんな名前ではなく、間違い電話だといくら言っても相手は納得しない。
気になって、結局ポール・オースターの名を騙り、電話の女のところへ行くと、奇妙な話を聞かされる。女の夫(まだ若い男)は幼い頃に父に殺されかけたことがあり、精神を病んでしばらく入院していたが、退院した今、刑務所に入っていた父が再びやってきて、彼を殺そうとするに違いないのだと言う。
作家は、その父親の若かりし頃の写真を一枚渡され、駅で張り込みをすることになる。そしてある日ついにそれらしい人物を見つけ、ホテルまで尾行をするが、この老人がそれ以降にとった行動はひどく不審なものだった。目的もなく町中をさまよい歩き、作家の目にはゴミとしか見えない様々なものを拾い、持ち帰る。それ以外は食事のためにカフェに寄ることしかしない。
ところがこの老人の歩く経路を地図上に描き出してみると、そこにはアルファベットが浮かび上がり、日々のそれらをつなげると、ある重要な意味を持つ単語、文章が綴られようとしていることがわかる。

このあたりまでの展開は、ミステリと読んでもさほどおかしくはない。おかしくはないが、やはりおかしい。この後の展開はさらにミステリの範疇をはみ出し、荒々しくも研ぎ澄まされた「文学」の領域へとなだれ込んでいく。
その後のオースターの小説をいろいろ読んでいる目から見ると、初期の頃のこの作品には荒削りな部分が目立つが、しかし荒い分パワフルで率直な、興味深い一冊である。
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# by agco | 2007-05-02 19:03 | その他創作

「七王国の玉座 上下」 「王狼たちの戦旗 上下」 ジョージ・R.R. マーティン

文句なしに面白い、エピックファンタジーの超大作。図書館で借りてハードカバーで読んでます。実は今「剣嵐の大地 上」まで読み終えたけど、その先の部分が借りられていてすぐには読めない状態なので、とりあえず2部の最後までのことを書きます。
といっても、ストーリーの詳しいことを書いちゃうとネタバレになりそうなので、極力そのあたりは伏せておきます。

まずこの物語、実に多くの人々の視点から語られており、その分、どこかの陣営に偏ったりはせず、様々な境遇、立場の人間の胸中が垣間見え、重厚にして多層的な構造をしております。単純な勧善懲悪じゃない、そういう混沌としたの大好きです。
読むにつれどんどん語り手がバトンタッチされていくわけですが、この語り手役に抜擢された人物であっても、話の展開によっては容赦なく途中で死にます。誰がこの先どんな運命をたどるのか、まったく先の予想をさせない(といっても、ある程度わかる部分はなくもない)シビアな話の運びはある意味非常に現実味にあふれております。
ものすごい数の登場人物が出てくるので、誰が誰だかわからなくなることもしばしですが、ひとりひとりはきっちり人間的に描かれていると感じます。

あえて誰が一番好きかといえば、ティリオン・ラニスターですかね! だってあの人かわいそうなんだもの…。パパが憎いよ。
それ以外にはアリア、ジョンあたりはかなり高ポイントであり、サンサは最初の頃は好きになれなかったけど、話が進むにつれて段々「いやいや、あれであの子もがんばってるんだよ」と寛大な気持ちで眺められるようになりました。
そして意外なあたりでサンダー・クレイゲン氏あたりが好きかもしれません。あいつ、あんなんだけど、いい奴のにおいがぷんぷんします! いっそサンサとくっついちゃえばいいのにと思うんですが、そうなる前にあの人、サンサを助けて死んじゃいそうな危険な気配もするので油断がなりません。

いつもいつも、いったいこの先どうなっちゃうのという衝撃的な展開で巻が切れるので、途中でやめることができなくなって、必死で先へ先へと読んできましたが、しかし現在刊行されている分を全部読んでも、ゴールまでにはまだまだ遠いのですよね。おお…登場人物が多いだけに、あんまり中断が長いと話を忘れてしまうよ…。
しかし先が楽しみなお話であります。
読んでも読んでも終わらないと思ったら、ハードカバー二冊は文庫にすると5冊分。すなわちこの第二部までで、文庫10冊読みきったことになるのですね。そりゃあなかなか終わらないはずだよ。
近々、とりあえず第三部まではばりっと読破しようと思っております。
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# by agco | 2007-04-18 23:57 | FT・ホラー・幻想



あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
by agco
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