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「ブタの丸かじり」ほか 東海林さだお

正確にいうと、
「ブタの丸かじり」
「ダンゴの丸かじり」
「親子丼の丸かじり」
「スイカの丸かじり」
「ケーキの丸かじり」
「駅弁の丸かじり」
「昼メシの丸かじり」
「鯛ヤキの丸かじり」
8冊を一気読みしました。

そんなの一気に読むものじゃないだろう! とお怒りの方。わたしもそう思います。
いやでもね、するするさらさら読める本だけに、ついつい次へと手が出て、気がつくとこんなにたまっていたのです。しかもこれだけ大量に読んでも胃にもたれない。あっさり薄味。すでに読んだ部分をもう一度読んでも苦にならない。ある意味、すごいことだと思います。

これだけ読めば、中には行ってみたいお店や食べてみたい料理、自分で作ってみたい料理などがいろいろでてきます。海外に長期に渡って赴任している人が読むには確かに苦痛をともなう本かもしれません。(いてもたってもいられなくなるという意味で)
しかしわたしの場合には東海林さだお効果はもっと意外な方面に出るのです。

食事時に、あの東海林さだお口調で脳内実況中継が入るのです。

折りしも本日の夕食は鳥釜めしに海鮮みそ鍋でした。なにやらミスマッチな取りあわせな気がしますが、気にしない。食べたかったんだから仕方ありません。とりあえず登場食物多数であるため、あちらこちらで複雑な食物関係が生まれ、濃密なドラマが展開していたようでした。
エビとカキの主役の座を巡る熾烈な戦いが水面下で行われ、最後にはカキが長老に場を譲る形で円満に解決したようでした。

食事のたびにこんなことを考えている(のか?)東海林さだおってすごいなー。
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by agco | 2006-01-28 21:57 | エッセイ

「信玄忍法帖」 山田風太郎

自らの喪を三年秘せと遺言し、甲斐の武田信玄は七人の影武者を残して死した。
これを疑う徳川は伊賀忍者を送りこんで真実を探り出そうとし、それを真田の忍者たちが迎え討つ。
しかし武田勝頼は、父の遺言を不満とし、自らの力を頼みに織田・徳川を倒そうと立ち上がる。
物語はやがて訪れる武田の滅びの日を見据えながら、史実に忠実に、哀惜の色調を帯びて展開する。

出来は悪くはないと思うけど、山田風太郎の忍法ものとしては普通。
普通すぎるといってもいい。そのあたりが本書があまり脚光を浴びない原因ではないかと。
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by agco | 2006-01-27 20:16 | 伝奇・時代・歴史

「せどり男爵数奇譚」 梶山季之

古書によらず、蒐集するという行為には常に狂気じみた部分がつきまとうものだが、本書は特に「書物」に限った奇譚を集めた短編集である。いちおう小説となっているが、ある程度は事実を踏まえているはずであり、その線引きがわからないのが怖いところだ。

物語は、男爵家に生まれながら、若いうちに古書の世界にのめりこみ、どうも道を踏み外した感のある男、通称「せどり男爵」の語りを作者が聞くという形式で進められる。
あるときは幻の和書を求めて奔走し、あるときは蔵書票の下に隠された秘密に肉薄し、香港で思わぬ拾い物をし、ときには騙され、ときには書物にまつわる謎から殺人事件解明への糸口をつかむ。きわめて特殊な嗜好の持ち主と出会うこともある。

古書というものを通して人間の中にひそむ闇にまで肉薄する興味深い本だ。
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by agco | 2006-01-26 00:56 | その他創作

「四両二分の女」 佐藤雅美

物書同心居眠り紋蔵シリーズの一冊なんですが、えっ、どうしよう。
ついに紋蔵さんが出世をして、常廻りになってしまったのだ。つまりもう物書同心ではなくなってしまったのだ。
常廻りになることは紋蔵さんの長年の悲願だったとはいえ、これでは話がつづけられないのではないか。シリーズはここでおしまいなのであろうか。
それに、ご本人の希望はさておき、居眠りをしつつ薄暗い部屋で過去の判例集をめくっている紋蔵さんはステキだった。あの姿をもう読めないのだと思うと寂しい。
ああ、残念だなあ…としみじみ。
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by agco | 2006-01-25 00:08 | 伝奇・時代・歴史

「ダ・ヴィンチ・コード」 ダン・ブラウン

いわずと知れたベストセラー。
謎解きなんかはまあ面白くないとはいわない。
しかし人物の書き方が結構薄くて、わりと主要な人物であっても、その人が何を思ってそういう行動に出たのかがいまひとつわからない。もうちょっと内面を書きこんであげた方がいいんじゃないかしら。
どうもキリスト教に対していい印象をもっていないので、肝心の謎の部分に関してあまり感動できないのが難点だが、そんなことよりも作者の宗教(および教会)に対する書き方が、どうも煮え切らない点が気になった。これ以上つっこんだり否定的なことを書いたりすると、怖い人たちから脅しが入ったりするのかしら…。
宗教って怖いですね……。
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by agco | 2006-01-24 07:14 | ミステリ

「蛇を踏む」 川上弘美

川上弘美に初挑戦。
表題「蛇を踏む」と、「消える」は興味深く読んだ。文芸とSFはとても近い関係にあると思った。
ほんとうのことを書こうとすると手がとまるのに、「うそばなし」はするすると書けるという作者のあとがきに、なるほどとうなずいた。
他の本も読んでみたい。
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by agco | 2006-01-24 07:06 | その他創作



あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
by agco
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