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カテゴリ:ミステリ( 37 )

「赤い羊は肉を喰う」 五條瑛

最近読んだ五條の本のなかでは一番まともだった!
でも葉山くんが登場する必要があったのかどうかは謎。名前を出すならもうちょっと活躍させてあげればいいのに。いけすかない上司に会いにいったとかいう妙な情報だけ出されても、そんなちょっぴりのネタで喜ぶのはごく限られた人間だけだと思うんですが。

お友達から借りて読んだ本なのですが、そのお友達の感想にそのまま同意で、特に付け加えることを思いつきません。
大衆心理操作の理論なんかは、悪い方向に使えば悪く、よいことに使えばよいという、ごくありふれた「力」の一種でしかないと思います。
渡辺エスターがなんであそこで流血の惨事を起こそうとしたのか、実はわたしにはよくわかりません。人間は決しておきれいな生き物じゃないんですよということを証明したかったのだとしたら、なんでまたそんなわかりきったことをいちいち証明せねばならんのかと疑問だし、自らの理論の正しさを確認したいだけなら別にもっとほかの方法でもよかったのではないかと思います。
大衆をコントロールするならするで、暴発ではなくもっと有意義なことをやらせればいいじゃない。
そこで悪意の暴発なんかを選択してしまうところが、ばっかだな~と思っちゃうわけです。子供の残酷な遊びと同じレベルですよ。いい歳なんだから成長しなさい。

でもまあそこそこ面白い本でした。全然褒めてるように見えないでしょうが、褒めてます。
でもわたしは日比谷バベルの初日には絶対に行かないタイプのひとりですね。
人ごみ、嫌いなんです。
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by agco | 2007-04-03 00:12 | ミステリ

「仔羊の巣」、「動物園の鳥」 坂木司

ひきこもり探偵シリーズ、完結編まで、だーっと読みました。
ああしかし…やはりだめなものはだめでした。どうにもこうにも肌に合わない。あそこにふんだんに描かれた「善意」に反発してしまいます。
「仔羊の巣」の最後にはアリスガワアリス氏による解説がついているのですが、それを読んで、わたしの受けとめ方は氏と正反対であることがわかって軽く驚きました。氏はひきこもりくんのことが好きになれないんですって。でもわたしは、ひきこもりくんのことはまあまあ好印象だけども、その親友くんのほうがだめなのです。
そのだめという感覚は、よく読んでみたところ、「怖い」というよりは「気持ち悪い」と言うのが正しいようでした。坂木くんの善意はなんだか妙に気持ち悪いです……。そして割とあっさりとみんなを善人に改心させてしまう展開もとても気持ち悪いです。
あ、あと、「ある人の不思議な行動」の理由をひきこもりくんが見事に洞察するからこそ、この作品は一応ミステリというカテゴリに属しているわけなんですが、この理由というのが結構納得いきません。Aという事情を抱えた人がBという行動をとる、というところに、あまり論理の必然性がないような気がします。というか、普通はAという状況下でBという行動はとらないだろうと思う…のですよね。まあ、普通はしないことをするからミステリなんだけども、でもやっぱり、すんなりと納得はできない。そんなことしなくていいじゃないと思ってしまう。
そういうところも、この作品の読了後に、なにやらもやもやの残る原因かもしれません。
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by agco | 2007-03-17 11:25 | ミステリ

「青空の卵」 坂木司

ひきこもり探偵シリーズの1冊目。
ひきこもりくんとそのたったひとりのお友達(男性)との関係が共依存だとは噂に聞いていたが、読んでみたらば想像を超えた。
主人公でもあるお友達くんの一人称の語りで物語は進んでいくのだが、モノローグ的に語られる彼の心理が怖くて怖くてどうしようかと思った。
ひきこもりくんもいろいろと大変なキャラクターだが、一見普通で、涙もろくもやさしいタイプの主人公くんの内面の底なしの穴が恐ろしくてたまらない。
「ちょっといい話がたくさんつまった短編集」を手に取ったつもりで、いきなりサイコホラーを読まされた気になった。
これが好きかと問われると悩むところだが、この後どうなるのかが(恐ろしすぎて)気にかかるので、つづきも読んでみようと思う。
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by agco | 2007-03-08 19:56 | ミステリ

「瓦礫の矜持」 五條瑛

う~~~~~~ん何が悪いとはっきり言えないけれどもあまり面白くない。
100点満点で採点するなら52点くらい。
あらすじを解説する気力も起きないのでそのあたりはアマゾンのレビューでも参考にしていただくとして、えーとそうですね。
出てくる人がほとんど全員底が浅い。そこが最大のマイナスポイントかもしれません。
この作者にはよくあるタイプの登場人物(大勢)は、みんなそれなりに過去とか状況とかが書き込まれているにもかかわらず、誰も彼もが薄っぺらで、類型的に描かれすぎている気がしました。
そして主人公と思われる人物の影が薄い。しかもこの人、物語上で何の役にも立ってない。誰にも影響を与えず、誰かに感銘を与えたり気持ちを変化させたりしていない。何のためにこの人はここにいるの? と問いかけたいくらいです。
いっそのこと上倉さんと黒羽さんのふたりの関係に焦点を絞って、葛藤とか対立とかを書けばよかったのに。
こんな半端な書下ろしをしているくらいなら鉱物シリーズの先を進めていただきたいなあ。
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by agco | 2007-02-03 23:10 | ミステリ

カドフェルその後

「死体が多すぎる」
「修道士の頭巾」
「聖ペテロ祭殺人事件」
「死を呼ぶ婚礼」
「氷のなかの処女」

ここまでバリバリと読みました。この本実はものすごくさらさら読めるので、一冊読むのに二時間とかかっていない…気がします。
一巻の頃よりミステリとして面白くなってきたのは良いことです。でもやっぱり謎解き主体というよりは、カドフェルがどのようにしてうまく周囲の人々を納得させるか(それは事件の真実を必ずしも正しく公開はしない)に重点が置かれていて、そういうところは最初からずっと変わりません。
でもそれがこのシリーズの持ち味だし、いい面だと思います。
それと、出てくる女がみんな強くて、ああ女性作家の書くものだなあとにっこりしてしまいます。

それ以外に重要なポイントとしては、二巻から出てくるヒュー・ベリンガーという人が、わたしすごく好き! わりと好みのタイプのどまんなか系です。
決していい人ってわけではないんだけど、悪い人ってわけでもなく、彼にとっての筋を通すことに対してはとてもまっすぐでありながら柔軟で、智謀に優れ、自分がほしいものをちゃんと知っている。
この人が出てくる限りはこのシリーズを読み続けてもいいと思えるほどです。
そういうキャラクターがひとりいるかいないかって、長く続くお話には重要なことですよね。
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by agco | 2006-06-14 21:14 | ミステリ

「聖女の遺骨求む」 エリス・ピーターズ

修道士カドフェルシリーズ1冊目。
つまらないと思っても最初の4冊までは我慢して読んでみるべしとお友達から言われて借りたので、黙々と読む。
そうですね、ミステリとしては謎解きとかにはあまり重点が置かれていない感じ。
時代が12世紀英国であるため科学捜査などという無粋なものはなく、おおらかに(大雑把に)物語が展開する。
カドフェルは今は修道士であるが、過去には世俗で様々な経験をした人であり、そのため正義感にがちがちに凝り固まらない柔軟な態度をとることができる。
物語中には殺意なく人を殺してしまった人物なども登場するのだが、そういう人間に対していかなる処断をすべきか等、カドフェルの資質が問われる場面が多く、そうしたときの対応には心和まされるものがある。

面白いかどうかはもう何冊か読んでから判断しよう。
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by agco | 2006-04-25 19:49 | ミステリ

「図書館の死体」 ジェフ・アボット

タイトル通り、町立の図書館の中で死体が見つかり、その容疑者にされてしまった館長であるジョーダン・ポティートは、自らの濡れ衣を晴らすために捜査をはじめる。
手がかりとなるのは被害者であるベータという女性の持っていた一枚のメモだ。そこには町に住む八人の住人の名前と、それに符合するようにして聖書の一節が挙げられていた。

そしてまあ、結論をいうと、ジョーダンは自らの容疑を晴らし、恋人もゲットし、新たな××も得て、いちおうは良かったね、ということで終わるわけですが。

うーん、正直に感想をいうと、感動するような話ではなかった。割と長い本なのに、小さくまとまっちゃったねという感じ。メモに挙げられていた8人の全員がひとつの事件に別々の形で関わっているとかだったら、もう少し入り組んだ内容になって面白かったかもしれない。割と単純なオチだった。とても犯人くさい人が本当に犯人だった。

読みやすい本ではあったけれども、こういう読みやすさはわたしは欲していないのだった。映画や俳優の名前がすらっと出てくるところも妙にあざとくてやだ……。好みの問題ですが。
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by agco | 2006-03-08 22:41 | ミステリ

「ダ・ヴィンチ・コード」 ダン・ブラウン

いわずと知れたベストセラー。
謎解きなんかはまあ面白くないとはいわない。
しかし人物の書き方が結構薄くて、わりと主要な人物であっても、その人が何を思ってそういう行動に出たのかがいまひとつわからない。もうちょっと内面を書きこんであげた方がいいんじゃないかしら。
どうもキリスト教に対していい印象をもっていないので、肝心の謎の部分に関してあまり感動できないのが難点だが、そんなことよりも作者の宗教(および教会)に対する書き方が、どうも煮え切らない点が気になった。これ以上つっこんだり否定的なことを書いたりすると、怖い人たちから脅しが入ったりするのかしら…。
宗教って怖いですね……。
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by agco | 2006-01-24 07:14 | ミステリ

「転々」 藤田宣永

藤田宣永初体験の本書。ウェブ上のどこかで見かけた書評が素敵だったので、ついつい読んでみたくなりました。

ストリッパーに入れあげ、若い身空で84万円の借金をこしらえた大学生の竹村は、借金取りの福原という男から奇妙な申し出を受ける。
男と一緒に霞ヶ関まで歩いてくれれば100万円をくれるというのだ。
竹村の住んでいた場所は吉祥寺。霞ヶ関までは直線距離で15キロほどしかない。寄り道をせずに歩けば一日で簡単にたどりつけてしまう場所だ。たかがそれだけの労力で100万円が手に入るとは、何か騙されているのではないかと気が気ではない。
しかし竹村には借金を返すあては他になく、ちょうどアパートも追い出され、福原と行動をともにすることになった。
しかしこの短いはずの東京散歩は思いもかけない展開を見せる。井の頭公園からはじまり、福原の思い出の地を巡り、ついでに竹村の昔住んでいた場所や、死んでしまった知人の家までまわり、偶然であった福原の知人のショーパブに寄り、新聞記者につめよられ、とにかく回り道をしまくりながら、竹村と福原は少しずつ互いに歩み寄っていく。
はずみで妻を殺してしまい、警視庁で自首するつもりだという福原の言葉は真実なのか。
竹村の愛するストリッパー美鈴は、果たして今どこでどうしているのか。
一見無目的に見える東京散歩の道行きが、それぞれにつながりあいながら、ひとつの結末にむかって収束していく。

なかなか、いいんじゃないの、あーん?
最後にもっとでかいどんでんがえしがやってきて、衝撃の結末を迎えるのかと思いきや、疑ったのとは少し違ったどんでん返しがやってきて、ああそうかなるほどと、納得したり、ほっとしたりと忙しかった。
あれはあれで良かったと思う。
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by agco | 2005-11-28 23:06 | ミステリ

「ジーヴズの事件簿」 P・G・ウッドハウス

貴族のぼんぼんで働きもせずにぐうたらしているバーティ・ウースターには、がみがみ屋のアガサ叔母さんとか、いつ見ても以前と違う女性に恋をしている悪友のビンゴとか、行く先々でトラブルを巻き起こす親戚の双子や伯父さんやもっと遠い血縁関係の人がうじゃうじゃといて、さらには本人も変なところで押しに弱くものぐさで浮ついた青年であるだけに、日々がもめごとの連続である。
それを颯爽と解決してくれるのが、従僕のジーヴズというわけだが、あいにくこのジーヴズというのは必ずしも主人のためになることばかりをしてくれるわけではない。
問題を解決するために主人の評判を地に落とすことも平気でやるし、自分がカジノに行きたいがために、策略を用いて気に入らないクリスマスの用事をバーティにボイコットさせることもする。バーティの靴下の色や服が気に入らないといっては、間接的な手法でごり押しをして、それを捨てさせたり燃やしちゃったりする。
最終的にはそれらはバーティのためになるのだが、相当そのやり方は悪辣だし、第一話でバーティが危惧したとおりにまさに、彼は従僕に支配されている。おいおいそれでいいのかバーティ。

ミステリというよりは本書はミステリタッチのコメディというべき内容である。面白くないというわけではないが、たとえばサザエさんを一日ぶっ続けで見続けるのが苦痛であるように(え、苦痛じゃない?)、短編一本や二本なら気軽に読めても、一冊分を延々読み続けるのは拷問だった(しかもかなり厚い)。
毎日寝る前に一話ずつ、というような読み方が、本書の正しい楽しみ方だったと思う。
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by agco | 2005-10-03 22:52 | ミステリ



あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
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