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「七王国の玉座 上下」 「王狼たちの戦旗 上下」 ジョージ・R.R. マーティン

文句なしに面白い、エピックファンタジーの超大作。図書館で借りてハードカバーで読んでます。実は今「剣嵐の大地 上」まで読み終えたけど、その先の部分が借りられていてすぐには読めない状態なので、とりあえず2部の最後までのことを書きます。
といっても、ストーリーの詳しいことを書いちゃうとネタバレになりそうなので、極力そのあたりは伏せておきます。

まずこの物語、実に多くの人々の視点から語られており、その分、どこかの陣営に偏ったりはせず、様々な境遇、立場の人間の胸中が垣間見え、重厚にして多層的な構造をしております。単純な勧善懲悪じゃない、そういう混沌としたの大好きです。
読むにつれどんどん語り手がバトンタッチされていくわけですが、この語り手役に抜擢された人物であっても、話の展開によっては容赦なく途中で死にます。誰がこの先どんな運命をたどるのか、まったく先の予想をさせない(といっても、ある程度わかる部分はなくもない)シビアな話の運びはある意味非常に現実味にあふれております。
ものすごい数の登場人物が出てくるので、誰が誰だかわからなくなることもしばしですが、ひとりひとりはきっちり人間的に描かれていると感じます。

あえて誰が一番好きかといえば、ティリオン・ラニスターですかね! だってあの人かわいそうなんだもの…。パパが憎いよ。
それ以外にはアリア、ジョンあたりはかなり高ポイントであり、サンサは最初の頃は好きになれなかったけど、話が進むにつれて段々「いやいや、あれであの子もがんばってるんだよ」と寛大な気持ちで眺められるようになりました。
そして意外なあたりでサンダー・クレイゲン氏あたりが好きかもしれません。あいつ、あんなんだけど、いい奴のにおいがぷんぷんします! いっそサンサとくっついちゃえばいいのにと思うんですが、そうなる前にあの人、サンサを助けて死んじゃいそうな危険な気配もするので油断がなりません。

いつもいつも、いったいこの先どうなっちゃうのという衝撃的な展開で巻が切れるので、途中でやめることができなくなって、必死で先へ先へと読んできましたが、しかし現在刊行されている分を全部読んでも、ゴールまでにはまだまだ遠いのですよね。おお…登場人物が多いだけに、あんまり中断が長いと話を忘れてしまうよ…。
しかし先が楽しみなお話であります。
読んでも読んでも終わらないと思ったら、ハードカバー二冊は文庫にすると5冊分。すなわちこの第二部までで、文庫10冊読みきったことになるのですね。そりゃあなかなか終わらないはずだよ。
近々、とりあえず第三部まではばりっと読破しようと思っております。
by agco | 2007-04-18 23:57 | FT・ホラー・幻想
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あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
by agco
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