「東洋ごろごろ膝栗毛」 群ようこ

本書は群ようことその友人たち男女混合チームによる台湾旅行記なのであるが、最初の50ページくらいを読んで、もう耐えられないといって挫折した。
何が耐えられなかったかといえば、例えばこんなことだ。

ツルタさんという女性が食事の席で、友人(男性)に関する笑い話として、とあるエピソードを話すのだが、まずそれがひどい。彼女のいないその男性が15センチもある長い乳毛を生やしていたことに爆笑し、相手が「乳毛がすり切れるようなこともしてないから…」と寂しげな様子なのに、目ざわりだからという理由で無理やり引っこ抜く。

……いやね、確かにそんなものを目撃してしまったら、わたしだって笑っちゃうかもしれないとは思うんだけど、「おまえそれでギネスを狙え」くらいのことは言っちゃうかもしれないとも思うんだけど、でも無理やり引っこ抜いたりはしないだろうし、またそれを笑い話として、共通の知人たちの前で語ったりはしない。多分。

そしてまた、その話を聞いたほうの反応もひどい。散々爆笑し、料理を食べながらも思い出してまた笑い、挙げ句の果てに本にまで書いてしまう。

あんまりだ。あんまりだよ。
その友人(男性)のキャラクターとか、友人たちの中でのポジションとかをきちんと知らなければ、それが単純に笑い話として通用していいものなのか、本当は判断できないんだけども、でもやっぱりこれは非常に無神経で、むごいエピソードだと思う。

それ以外の部分でも、この旅行記は、だらだらと起こった出来事を書き連ねてあるだけで、そこに特別感銘を受けるような、自然や人間に対する鋭い観察や洞察が見られるというわけでは全然ない。
情報源として期待できるということもなく、また「わたしたちこんな馬鹿なことやっちゃったのよ」と自らを貶めお笑いに徹する心構えもまた見られない。
本当に、この旅行記が何を伝えるために書かれて、いったいどんな読者がこれを喜ぶというのか全然わからない。…もしかしたら、最後まで読み通したらすごくいいことが書かれていたりするのかもしれない、けど……。

とにかく最初の50ページしか読んでいないわたしに言えるのは、わたしは群ようこやその友人たちとは、永遠に仲良くなれそうもないということくらいだ。←心配しなくても、そんな可能性ありません
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by agco | 2004-10-05 19:22 | エッセイ
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あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
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