「オールウェイズ・カミングホーム」 アーシュラ・K・ル=グィン

「すごい」本だ。しかし「すごくいい」本かどうかは微妙だ。
この本は小説ではない。ひとつの(未来)世界を創造しようという試みである。
そのために用いられているものの一部に小説がある。それなりに長い1つの物語と、短編がいくつか、ほかには詩、戯曲、対話の記録、論述などの形式が存在し、それぞれが絡み合って1つの世界を構築する。そこには「いまだ存在しない」言語が用いられ、そのための辞書、用語解説なども巻末に附されている。
このような世界そのものを精密に創造しようという試みは、エルフ語を1から作ってしまったトールキンの指輪物語とも共通するように思う。
面白いかどうかはともかくとして、その創造性と意欲、知識量にはほとほと感心する。興味深いことも確かである。
でもル=グィンはある時期からフェミニズムが鼻につくようになってきて、この本の中にもうっすらとその気配があり、そんなあたり、個人的には微妙に引いてしまうんだよね。
[PR]
by agco | 2004-08-05 11:35 | SF
<< 「エロティシズム12幻想」 監...



あまりに自分の忘却力がすごすぎるので、面白かったものも面白くなかったものも、とりあえず読んだ本の感想を全部記録してみることにしました。コメントなどありましたらご自由にどうぞ。
by agco
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30