もう一冊つづけて五條瑛。
「金がない」こと以外は特に共通項のない、中年男の金満、若いが前科のある安二、不法滞在パキスタン人のアキムの三人は、まさに金がないことが理由で同居しながら建設現場を渡り歩いている。特別に気が合うというわけでもないが、意外に深刻な揉め事はなく、気がつくとまるで家族のような関係が生まれている。 その彼らは1999年に手を組んでひとつの犯罪を犯した。金のためにしたことで、罪悪感があったというのでもないが、彼らはそろって口をつぐみ、そのことを話さなくなった。その後も彼らの同居はつづき、様々なトラブルに巻き込まれながらもなんとか日々をしのいできたが、あるとき、過去の犯罪に関したひとつの出来事が、彼らの関係を突き崩した。 読みやすく、人の心の機微に通じた作者らしい短編集。過去の犯罪が少し弱い気もするが…でもまあ、よくまとまった話ではある。
by agco
| 2005-07-18 21:23
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