25歳にして宇宙軍士官学校の校長となったニコラス・ユーイング・シーフォート。その年で校長って早すぎるだろ、と言いたいけれども、そもそも17歳で艦長になった男に今更年齢のことであれこれ言っても仕方がない。第一、校長にだって、彼はなりたくてなった訳ではない。本当は宇宙軍を辞めたかった彼は、仕方なくその地位についたのだ。
そしてまた、宇宙艦にさえ乗っていなければ彼に平穏が訪れるというものでもなかった。行く先々で不幸と不運を招く男、ニコラス・シーフォート。気の合わない副官と、問題ばかり起こす見習い生たちと、不正と不服従と、部下や上官たちとの果てしのない苦渋に満ちたやり取りの果てに、妻は失踪し、挙げ句に太陽系についに「魚」の大群が押し寄せる。 地球を、太陽系を救うために彼がとった決定的かつ悲劇的な戦法は、最終的に彼を絶望へと追いやることとなる。 確かに噂に聞いていた通りのジェノサイドっぷりでした。 新しい登場人物が山ほど出てきて、誰が誰だか覚えきれないうちにみんなばりばりと死んでいった。哀れな死に様もあり、立派な死に様もあり。なんにせよ、どういう形のものであっても死は悲しい。 それはともかく、シーフォートは本当に手のつけられない怒りんぼうさんだよ! 厳格を通り越して頑迷の域にまで達しているような気のするそのキャラクター。最終的には正しい行動を選択するのが彼だとはいえ、身近で、たとえば自分が彼の部下になったりすることを思うと身震いが出る。多分ついていけないだろう。トリヴァーさんはよくやってるよ、本当に。
by agco
| 2005-01-12 23:19
| SF
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